成分や効き目が同じで、価格が安い医薬品
急激に進む高齢化によって医療費はどんどん増え、日本の医療保険制度は財政的に厳しい状態です。このため、平成15年(2003年)4月よりサラリーマンの自己負担が2割から3割に増え、家計への影響がとても心配されます。
総医療費約30兆円で20%を占める薬剤費(約6兆円)をどうにか減らすことはできないか。
そこで、注目されているのが、成分や効き目が同じで、価格が安い「ジェネリック医薬品」です。でも、皆様には聞きなれない言葉ではないでしょうか?
医薬品Q&A
このQ&Aは、皆様に少しでも「ジェネリック医薬品」を知っていただくために、「えっ、同じ成分の薬で値段が違うってどういうこと?」「安いお薬で、本当に効くの?」など、皆様の疑問にわかりやすく答えたものです。ジェネリック医薬品を身近なお薬と感じていただければ幸いです。
「ジェネリック医薬品」って何?
新薬の特許期間が満了後、厚生労働省の承認を得て製造・販売されるお薬のこと。新薬に比べて大幅に開発費用が削減できるため、新薬と同じ成分・同じ効き目でありながら、お薬の価格を低く抑えることができます。 そのため患者さん個人の医療費負担を軽くするだけでなく、国全体の医療費削減にも大きく貢献されています。
ジェネリック医薬品はなぜ安い?
新薬の開発には、9~17年もの年月と200~300億円にのぼる投資が必要とされます。一方、ジェネリック医薬品の開発は、有効成分の特許が切れた新薬について、品質の安定性・新薬との同等性を証明する試験を行い、基準をクリアすれば厚生労働省の製造承認を得ることができます。この場合、開発期間は3~4年となる上、コストは大幅に抑えられるのです。
安いのはいいけど、きちんと効くの?
ジェネリック医薬品の開発・製造は、新薬と同様の様々な規制・基準を遵守。品質の違いはありません。製品の安定性は規格及び試験方法、加速試験と、先発品との生物学的同等性を証明する試験等を行ない、厚生労働省の示す基準をクリアすることができて初めて製造承認を得ることができます。
ジェネリック医薬品の安全性は?
ジェネリック医薬品は、効き目も成分も新薬と変わらない、安心なお薬です。新薬との同等性を確かめる試験を行っています。
海外で、ジェネリック医薬品は使われているの?
医療先進国の欧米では、日本より先に医療費削減が重要課題となった経緯から、ジェネリック医薬品が積極的に使われています。日本におけるジェネリック医薬品のシェアは16.8%にとどまっていますが、本格的な高齢社会の到来を目前に、医療費削減は避けて通れない課題であり、ジェネリック医薬品の有効活用が大いに期待されます。
※2004年度数量ベース。但しイギリスのみ2003年
どうすれば処方してもらえますか?
かかりつけの医師・薬剤師に『私のお薬、ジェネリック医薬品に代えられますか?』とご相談ください。
ジェネリック医薬品の将来性は?
2002年にジェネリック医薬品の使用促進が初めて国の方針に取り入れられ、国立病院や大学病院などの基幹病院で採用されるようになりました。また、2006年4月からは、患者さんがジェネリック医薬品をより選択しやすいように処方箋の様式も変更されています。治療の幅を広げる新薬と患者さんのお薬代自己負担を軽減するジェネリック医薬品。この2つの医薬品を必要に応じて使い分けていくことが、これからの医療のスタンダードになろうとしています。
欧米ではすでに“常識”!?
ジェネリック医薬品は、欧米で医薬品の50%を占める、一般的なお薬です。WHO(世界保健機関)も使用を推進するなど、ジェネリック医薬品は世界の常識となりつつあります。